NSメディカル・ヘルスケアサービス

運動のポイント

運動は諸刃の剣です。うまく行えば効果がでますし、間違った方法ですと害につながります。運動を行うには、運動の強度、頻度、時間、種類が重要なポイントです。
まず、運動強度ですが、高血圧の運動療法は「ニコニコペース」の運動が適しています。ニコニコペースの運動とは、心拍数や血圧が危険なほど上昇せず、疲労物質である乳酸が殆ど蓄積しない運動強度のことで、専門的には最大酸素摂取量(VO2max)の50%に相当する運動強度です。運動強度は心拍数(脈拍数)で推定する事ができ、ニコニコペースは以下の式で推定する事ができます。

ニコニコペースの計算式=「138−年齢/2」(拍/分)

例えば50歳の人であれば「138−50/2=113拍/分」になるような運動の強さです。
次に、運動時間ですが1回あたりの時間と週あたりの運動時間がポイントです。1回あたり20分以上、週あたり180分以上運動すると、その効果はかなり期待できます。さらには運動の継続で生活習慣病に罹る危険性が少なくなることも解っています。

<健康づくりのための年齢別運動強度(心拍数)早見表>
年齢階級 20代 30代 40代 50代 60代
1週間の合計時間 180分 170分 160分 150分 140分
目標心拍数(拍/分) 130 125 120 115 110

注:目標心拍数は、安静時心拍数が概ね70(拍/分)程度の平均的な人の50%に相当する運動強度です。

運動の頻度については、週あたり3回以上行うことが勧められています。1回の運動時間が短くても回数を多くすることで運動量が確保できます。できれば毎日行うことが望ましいでしょう。
運動の種類は有酸素運動が適しています。有酸素運動とは酸素を十分とりいれながら行う運動のことで、ウォーキングやジョギング、スイミング、サイクリングなど長時間にわたって行える運動が適しています。



高血圧には運動による効果がかなり期待できます。それには、正しく運動を行うことが重要なのですが、降圧効果には個人差があります。運動してもなかなか正常にならない人もいます。しかし、正常血圧であって運動してない人と、高血圧であって運動している人との寿命を比較しますと、たとえ高血圧でも運動している人の方が長生きだと言う報告があります。さらには、運動を良くやっているとガンにさえも罹りにくいことも解っています。また、運動は身体的な効果ばかりでなくQOL(生活の質)も高めてくれます。心身共に充実した生活を送るためにも、「ニコニコペース」の運動で健康づくりを行ってみてはいかがでしょうか


体力と血圧の関係

最大酸素摂取量(心肺持久力)が高い人ほど生活習慣病に罹りにくいと言われています。図は最大酸素摂取量と血圧との関係を示していますが、最大酸素摂取量が低い人ほど高血圧になる危険度が高いことを表しています。
現時点で血圧が正常範囲内であっても、数年後に高血圧になる可能性は十分考えられます。例えば、体力と5年後の高血圧の発症率を調査した報告では、最大酸素摂取量が少ない人ほど5年後に高血圧になりやすかったとしています。血圧が高い人ほど心臓疾患や脳血管疾患にかかりやすいという報告などと併せて考えると、高血圧になってから運動を開始するのでなく、生活習慣病等にかからなくするためには、日頃から運度を行い、体力を高めておくことが必要だということがポイントのようです。

<運動と血圧の関係>

※運動の継続で血圧は下がるが、運動を中止すると元に戻る


運動を中止すると元に戻る

運動で血圧は低下しますが、それでは、運動を中止したら血圧はどうなるでしょうか?
上の図は、ニコニコペースの運動を行った結果、3ヶ月で血圧が下がりその後9ヶ月後に運動を中止したところ、元の状態に戻ってしまった事を表しています。運動の中止は、血圧のみならず、体力や血液成分などにも影響を与えます。ですから、運動も継続することが大切なのです。


運動と骨動態

運動が骨動態に及ぼす影響は、対象の年齢、性、運動の種類、強度、頻度、期間などに左右されます。通常、加齢による骨量減少は年間1%で、閉経後は年間2〜3%と言われています。しかし、ベッドなどに寝たきりになり全く動かない状態になりますと、骨量はわずか1週間で1%も減少すると言われています。
骨量の減少は運動量の減少で顕著に現れますが、骨形成はすぐにできません。個人差もありますが、例えば3カ月間のトレーニングでも骨量の増加がなかったとする報告もあります。