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茂原前理事長の卯月山登山記
−  2011十二支会 卯月山:突き抜けて  −

1月9日、卯月山での平成23年十二支会に参加させていただきました。時折り雲間から差し込む日の光に、木曽駒の裾野に広がる飯田の街並み、天空の城が浮かび上がります。信州の夕日百選、恵那山に沈むサンセットポイントの小野子の地区の方々の振る舞いに身心をあたためながら、例会52回が無事是貴人で幕を閉じます。

今回から正式入会をお許しいただき、無事是貴人に少しでも近づけたらと緊張します。

昨年末は仕事納めのその日30日深夜11時半に電話で、関西経済界トップのお一人S氏(70歳代)から、12月14日よりお世話させて頂いていた奥方の容態の変化を告げられ、ご縁に感謝しつつも責任をどう果たすべきか眠れぬ夜となりました。(その後無事快復されました)

夜が明けて、さあ十二支会の準備をと自机についた途端、参加申込をしていなかったことに愕然。無理を承知で電話した事務局の困惑振りに、これは非礼をと辞したのですが、年が明けて玉岡代表のお執り成しで身勝手ながら参加が叶いました。

玉岡代表より五所の中野 聡氏のご同行をお誘いしてはとのお勧めがあり、電話を試みますがつながらず。後ろ髪を引かれる思いとともに参加しました。が、前夜祭で運よく中野氏と隣りあわせとなり、お詫びかたがたご挨拶ができ、ご縁に感謝です。

その前夜祭の席で、玉岡代表のもてなしの心に、また驚かされます。金子あづささんのフラフープの妙技に、ひょっとこ面をつけてのパフォーマンス。笑いの中からきらきらと輝くものが無数に放射され、あらゆる方向に「突き抜け」ます。

先のS氏です。ちょうど12月27日にS氏のかつての配下H氏の送別をしました。ある困難に直面した際、S氏に「どこまで突っ込んだか」と語りかけられたそうです。H氏は即座に「とことん」というような意味合いのことを返答したようですが、彼のサラリーマン経験の中でそのような問い掛けは後にも先にもなかったそうです。それは、「突き抜け」たかということを訊かれたと理解し、深く印象に残ったとのこと。

「突き抜け」るで即座に思い浮かぶ方は、国際的に活躍の労働衛生界重鎮のK氏(70歳代、東京大学医学部卒)です。小職の属する組織は、10年余り前より国際協力事業団の働く人の環境改善コースのごく一部の研修ですが、請け負っています。アジアを中心に海外から10名前後の方を受け入れての研修です。その和歌山での研修に一昨年よりK氏に特別講師をお願いしています。

ILOの部長職を務めた方でアジアの働く人びとや労働衛生界から慕われ、国際労働衛生学会のトップに立つK氏ですから、流暢な英語で研修生をひきつけます。笑いのパフォーマンスも、ユーモアのセンスも、もちろん超一流です。緩急自在の講義、巧技です。研修先事業所からの帰りの、上下、縦横に揺れ動くバスの中、K氏はひたすら和紙(銀座の有名な和紙屋さんのものだそうですが)で折鶴をつくっています。時折りその手を止め、小職に車窓からの紀州田園風景を英語で研修生に説明するよう求められます。最後の反省会、交歓会で、その折鶴が絶妙なゲームを通じて研修生に贈られます。折鶴にとどまらず、飛び跳ねるカエルが、球描く紀州手毬に劣らぬ多面体折紙手毬が、その手から次々と創り出されます。研修生にもその作り方を伝えます。「突き抜け」るもてなしが、「交通」(交わり通す;コミュニケーション)をあらゆる方向に放射します。

貴人の「突き抜け」る姿勢にこの世界をみたし尽くす教えをいただきながら、「突き抜け」る前にこれ位でと手を打つわが身。「突き抜け」るこころ配りの玉岡代表を抱く新宮山彦グループのみなさんに教え教えられて、わが身の卑小な意識が何ものかにむかって開かれ、意識の力をもっと自由に何ものにも拘束されない極限状態に放射していければ、とあらためて願う機会を卯月山にいただきました。

帰りの新幹線の車窓からみる空、雲、日差し、山、すべてが無数の光を放射している、放射する無数の光があまねくすべてを満たしている、との実感をもはじめていただきました。無事是貴人への入り口に、立てたのでしょうか。深い感慨とともに、辛卯十二支会参加を無事終えることになりました。ありがとうございました。